ウエスト・サイド物語との出会い

ウエスト・サイド物語

 

ウエスト・サイド物語(West Side Story)はロバート・ワイズとジェローム・ロビンス監督の1961年のアメリカ映画。シェイクスピアのロミオとジュリエットを元にした同名のブロードウェイミュージカル『ウエスト・サイド物語』の映画化作品。

ストーリー

いわゆるイタリア系アメリカ人の少年達で構成されているジェット団は、最近力をつけてきたプエルトリコ系アメリカ人のシャーク団と敵対関係にあった。一触即発の状況が続くある夜、中立地帯であるダンスホールで顔を合わせることになった。初めてのダンスパーティに期待で胸を弾ませていたマリアは、そこでトニーという男性に出会い、恋に落ちてしまう。2人は口付けを交わすが、マリアがシャーク団のリーダー、ベルナルドの妹であり、トニーは以前ジェット団のリーダーだったため、二人の恋はアメリカから伝わってきたのかもしれません。

 

舞台裏での出会い

映画では舞台版から楽曲構成、歌詞等に相当の変更が加えられている。また役名や役の位置づけにも一部変更がある。役柄がとくに重要だったとの話。

役の大きな変更では、ジェッツの2番手にあたるディーゼルの役が「アイス」という役に変更されている。アイスは常に冷静さを欠かさないクールな少年として設定されている。彼の役を演じたタッカー・スミスはリフ役のタンブリンの歌唱部分も吹き替えとして担当した。他にグラジェラとヴェルマの位置づけが入れ替わっていたり、ブライダルショップのオーナーであるマダム・ルチアが登場したりといった変更がある。オーナーとの出会いによって楽曲の順序の入れ替えとして、ダンスパーティー後にシャークスを待つジェッツが歌う「クール」と、決闘後に同じくジェッツが歌う「クラプキ巡査どの」の位置が入れ替えられている。これに伴い「クラプキ巡査どの」はアクションではなくリフが中心となって歌い、「クール」は死んだリフに代わってジェッツを束ねるアイスが歌い、内容も「シャークスへの復讐にむけて冷静になれ」という意味を持ったものになっている。また、舞台版では決闘後(第2幕冒頭)に置かれている「素敵な気持ち」が2日目夕方のトニーとマリアの待ち合わせ前に移され、マリアたちがお針子をするブライダルショップでの情景に変更されている。これらの変更は明るい雰囲気をもった「クラプキ巡査どの」と「素敵な気持ち」を決闘前に、不気味で緊張感の高い「クール」決闘後に移すことで、決闘を挟んでの物語の暗転をよりくっきり描き出す効果を得ている。人妻を巡る争いを細かに描写している。

また、ダンスパーティー後のナンバーである「トゥナイト」と「アメリカ」の順番が入れ替わっている。「アメリカ」は舞台版では女たちだけの歌だが、映画ではアニタ率いる女たちとベルナルド率いる男たちが対抗して歌い、歌詞もベルナルドたちがアメリカの欠点を数えあげる、こうしてより社会批判的内容に変えられている。

その他の楽曲構成の変更として、舞台版の序曲では「どこかへ」の旋律が現れるが、映画版では「マリア」の旋律に変えられ、続く「プロローグ」も舞台版より拡大されている。また舞台版では第2幕前半にあって全員のダンスを含む「どこかへ」のシークエンスは歌の前後が大幅にカットされ、歌はトニーとマリアのデュエットで歌われる(オリジナルでは舞台裏の女声が歌う)。「体育館でのダンスパーティー」はリフ役のタンブリンのアクロバットを見せるために拡張されている。また「あんな男に/私は愛している」は「あんな男に」後半のデュエット部分がカットされ、マリアのソロからそのまま「私は愛している」に移行するほか、「ひとつの心」でも若干のカットがある。